《MUMEI》
+。。星園中に…。。+ **隼人**
.



健人が夜遊びをしていたのはなんとなく気づいていた。


アイツは自分が少しでも違うことをしたり、やってはいけないことをすると様子がおかしくなるから。


健人を変えさせるのは決して簡単なことではない。


だから、俺は瑞希に頼もうと思った。


梓が不安そうになった時、一瞬俺も不安になった。


だけど、健人を変えさせることが出来るのは瑞希しかいない。


そう思ったんだ………。


瑞希が健人に出会ってどう思うかは俺にだって、まだ分からない。



だけど………



やってみるしかないんだ。














昼休み―……



俺は健人を裏庭に呼んだ。



「隼人????俺を呼ぶなんて珍しいな。何だ?」


「あぁ…急に呼び出して悪いな」

健人は"別に暇だったから"と言いながら笑った。


「で……何?」


「あのさぁ…健人は年下とか興味ない?」


「年下!?何だよ、イキナリ」


健人は苦笑いしながら、壁に寄りかかりながら、座り込んだ。


「年下って、女?」


「そう。女」


「別に興味なくはない」


「なら今日、星園中に行ってみ」

「星園中?」


「そう。4時半過ぎぐらいに。俺の妹がいるから」


瑞希に罪悪感を感じながらも俺はそう話した。


「ふぅ―ん…隼人の妹だから、どうせ彼氏有りじゃね??」


「いや…いないと思う」


「行ってみればいいの??」


「そう」


「なら行くよ」




健人はそう言って静かに立ち上がった。













これで、健人が変わらなかったら……俺はどうするんだろう。


瑞希は健人を目の前にして、どう思うだろう。





でも瑞希は俺に何1つ、文句は言ってこなかった。






逆に"ありがとう"と言ってきたんだ…。






まぁ、





それはもう少し後の話。






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