《MUMEI》
憧れ
その日を境に、ねこは外の世界に憧れを抱くようになりました。



「外の世界かぁ…。」



しかしベランダはコンクリートの壁で囲まれて、下を見下ろすことはできません。



「下の世界は、どんな感じですか?」




ねこは今日も空とお喋りします。




「今日は髭が重いや…。」



見上げた空は不機嫌で、今にも泣き出しそうで



湿気を含んだ猫の髭が少し垂れ下がっていました。






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