《MUMEI》ジョージ、鼻毛を抜く4
上司が言葉を続けた。
「それにさ、予算なかったら広告予算も組めないよ?そうするとさ、今企画中の安田美沙子のポスター起用の話もおじゃんだよ?モデルの子と知り合える機会なんて、そんなないよ。残念だなあ。バリ島のロケには打ち合せで参加してもらおうと思ったのに。もちろん公費で」
若き官僚の義憤はしゅるしゅると消えていった。
「不退転の決意で頑張る所存であります」
「あ、そう?やってくれる?別に頑張んなくてもいいけどね、結果だしてよね、結果」
上司は机の上に足を投げ出すと、再びゴルフクラブを磨き始めた。
「ということで、今度のプロジェクトでは成果あげて、なんとかバカ者、いや若者の就職率上げる方法見つけてよね」
「ぜひとも、お任せください」
若き官僚は胸に手をあて、深々と頭を下げた。そして彼が退室しようとしたそのとき、上司から最後の言葉が投げ掛けれたのだった。
「あとそういえばさぁ、今度省内コンペあるじゃん?ゴルフコンパニオンの女の子、お前調達しといてくんない?都内の女子大生なんかがいいなぁ」
前へ
作品目次へ
無銘文庫TOPへ