《MUMEI》
巴参戦。
「狩っちゃ〜〜ん!!」
玉華の入り口からこちらに駆け寄ってくる人物。
「想花。」
「やっほ。とりあえず無事みたいで安心、安心。」
挨拶を終えると食堂に並べられた物の量に驚いている。
「武器を使える奴は好きなの持って行けよ!!」
店主は店の外で声を上げている。その声に応じるように玉華には次々とヒトが集まり始めていた。
「助かるね。適当に貰っていこうよ。」
並べられた物を次々と収納していく想花。
「あ、そうそう。ボンカーもこっちに向かってるみたいだよ。何人か腕の立つヒトも一緒らしいから合流したら安心できると思うよ。」
「想花・・少しは遠慮しろよ・・」
話をしながらも次々と収納していく想花に声をかけるが、聞いていないようだ。
「ウチが一番最初・・みたいやけど、気前の良い店もあったもんや〜」
入り口から聞き覚えのある声が聞こえた。
「あ、狩月だっけ?久しぶりやね。」
こっちに気がついた様子で側に寄ってくる巴。
「トモだよね、久しぶり。怪我はもう大丈夫?」
「ん〜ちょっとまだ痛む所とか有ったり無かったり・・でも基本的には問題なしやよ。」
「外・・どうなってる?」
「空では龍が暴れてるし、街中でもモンスターが暴れ回ってるみたい。守護騎士も戦ってるけど押されとるね。」
ここに来るまでの様子を説明する巴。途中、戦闘があったのか返り血が服に付着している。
「ボンカーの言ってた仲間って狩月のことみたいやね。合流したらど〜する?」
どこか含みのある笑顔を向ける巴。
「とりあえず・・街から避難かな?」
「ま、そういう事にしとこ。」
ふふふ〜と小さく笑いながら食堂に並べられた物の前に歩いていく。
「モンスターだ!!!」

ドドドドドドドドドドド!!
凄まじい衝撃が連続し、玉華の壁にも亀裂が入っていく。
外からは悲鳴や怒号が聞こえてくる。
「っつ・・お喋りの時間は終わり。」
巴は懐から数枚の符を取り出すと一斉に亀裂の入った壁に向かって投げつけた。
亀裂から見える外の景色・・全長1メートル程度のトカゲに虫の羽を生やしたような外見のモンスター「リザードフライ」が大きく口を開け、火球を吐き出した。
「盾符・・開!!」
ドドドドドドドドドド!!
壁が砕け、次々と火球が店内に飛び込んでくるが、巴の展開した符のシールドによって弾かれて消えていく。

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