《MUMEI》
*。*思い出す日*。*=龍也=
.





―「私ね……和哉くんと…付き合うことになったの」―





愛梨沙は……


和哉のことが好きだったんだ。


俺がいない間にちゃんと好きな奴をつくってたんだ。


愛梨沙は事故に遭って記憶を失った……。


俺との幼い約束も忘れちまったんだ…………。


仕方ねぇんだ…。


好きな奴なんてできてもおかしくねぇんだ…。


でも……


でも……



俺は愛梨沙のことが好きだ…。


心から好きなんだ…。


北海道にいる間だって考えていたのは愛梨沙のことだった。



早く会いたくて仕方なかった。


俺は幼いながらにしていた約束を何時か叶えようと思っていたんだ。



ガキだった俺はガキなりに愛梨沙を好きだったんだ…。


小3だった……


小3だったけど……俺は愛梨沙だけが好きだった。



他の女になんて興味なかった。


今でもその気持ちは変わっていない………。


俺は愛梨沙だけが………













あの時……


俺が北海道になんて行ってなければ………


父さんと母さんを無視して此処に残れば良かったんだ…。


なら…………


愛梨沙とずっと一緒にいられたんだ………


今、愛梨沙と付き合っていたのは俺かもしれなかったんだ……









愛梨沙は…………




事故になんて遭わなかったかもしれないんだ………。









記憶を失うことは…



なかったかもしれないんだ…。






後悔しかできない…。



後悔しかうまれない…。





なぁ愛梨沙…………




君が俺のことを思い出す日はきますか―………????






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