《MUMEI》
実力テスト
新入生歓迎会の2日後から、実力テストが行われた。
このテストは、結果が掲示される。
300人近く居るこの学年でトップをとるのは難しいが、トップになれば優遇待遇を受けられるという噂だ。

勿論、俺の計画では、俺が大差を付けてトップになる。
俺は、自分がトップになり皆にちやほやされる姿を想像して、にやけた。

テストは、1日2教科ずつ、英・国・数・社・理・作文となっている。
すべてのテストが終わって2日後に結果が発表される。

流石、名門私立高校と言うべきなのか、俺でも苦戦する問題が多かったが、自信はあった。

―発表の日の朝
朝俺が起きると、有河原樹はベットから落ちて、大の字の状態で床に寝っ転がっていた。
パジャマ替わりのジャージは寝乱れしていて、腹が見えている。おまけに、よだれをたらしていた。

―どうして俺は、こんなだらし無い奴に負けてしまったのだろうか…。

俺は手近にあった竹刀で、有河原樹の脇腹を突いてやった。
「イヒヒヒッ」
くすぐったいのか、おかしくなったのか、笑い出す有河原樹。
俺は又竹刀で、今度は強めに突いた。
「有河原っ朝だぞ!起きろ!」
有河原樹は「う〜」と唸りながら寝返りをうち、ベットに頭をぶつけて起きた。

有河原樹は目を擦りながら、大欠伸をして伸びをした。髪は、ワックスをかけた様に立っていた。
俺は息をついた。

俺はちゃっちゃと着替えを済まし、食堂で食事をとって、とろとろ食べる有河原樹を置いて、先に校舎棟へ向かった。

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