《MUMEI》
走り終えた後
岡ヤン『ふう〜…暑かったぁ…』

…と言いながらも岡ヤンは涼しい顔でメットを脱いだ。


オレ『さすがポールシッターは違うなぁ…』

兄貴『パンチ・パーマも金髪の小僧もどうってコトねーわな?』

岡ヤン『いや…こっちも必死やったよ。』

そう言って岡ヤンはツナギを腰まで下ろした。


白い革ツナギの下のインナーは、汗でビッショリ濡れていた。

暑さだけでなく相当なプレッシャーも受けながら走っていたことを窺わせる。

金髪小僧と絡んだフリー走行は、結果的に岡ヤンに凱歌が上がったが、その内容はおそらく紙一重だったのだろう。

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