《MUMEI》
計画破損
俺が下駄箱で靴に履き変えていると、掲示板の回りがざわざわしていた。
結果が張り出されているのだろう。

俺は自信に満ちた顔で、掲示板を覗き込んだ。

『新入生テスト結果』
俺はその下に書いてある自分の名前を想像した。
‥顔が緩む‥。

『第1位 有河原樹 598
第2位 沢村雄貴 592 』

「えっ…?」
俺は、目を何度も擦った。再び見ても、結果は変わらない‥。

…俺が2番…

「嘘だ‥」
そうだ‥嘘だ!きっと嘘だ!俺が負けるなんて‥。

俺は崩れ落ちそうな足を壁を支えに立たせた。
足がガクガク震える。
胸が締め付けられる様に痛む。

―嘘だ‥。

…俺の計画はもう5年も、計画通りに進んでいた。

―なのに…なのに…なのに…。
    ―何故―
…あんな奴に俺が…?

許すものか…

俺の計画は絶対だ…

乱してなどやらない…

必ず…

有河原樹に…

地獄を見せてやる…

俺は決心し、教室に入って、人生計画白書を取り出した。

―7月 校内水泳大会
100m競争で俺と有河原樹が接戦になった末、有河原樹が足を吊らせてしまい、俺が優勝する―

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