《MUMEI》 首無しの騎士「さてと・・・」 食堂に並べられていた片手剣と炸裂弾を手に魔法陣と対峙する。 「ストック完了〜シールド30枚にマジックショット50発・・コレだけあれば少しは持つよ。」 Vっとポーズを決めると狩月のやや後ろで杖を構える想花。 「高位スキル無いの?」 ボソっと・・言ってしまった狩月。 「・・・・・・仕方ないじゃん!!ハンディング様ならともかく、一般レベルで高位スキルのストックなんて出来ないし!!!ダイタイ狩っちゃんだって式夜ちゃんみたいに高速移動も出来なければ、彩詩様みたいに空も飛べないじゃん!!」 「な・・・そんな無茶苦茶言うなよ!!」 「え・・・きゃあ!!!」 突如黒い何かが想花を吹き飛ばす。 振り返る狩月。 魔法陣から一本の腕がだらりと垂れ下がっていた。 「く・・」 炸裂弾に火をつけ、魔法陣に向かって投げつけ・・数歩後退、剣を構える。 ゴオオオ!! 爆炎を押しのけるように漆黒の騎士が召還される・・その騎士の首から上は無く、ただ・・首の断面が晒されているだけ。 「デュラハン」と総称されているタイプのアンデット。戦で死んだ者の魂がモンスターと化したものと言われ、手に持つ武器によって幾つかに分類されている。その戦闘能力は高く、守護騎士でさえ一人では手に負えないといわれている。 「・・・せめて人型してるのが救いかも・・龍とか出たら何していいのか解らないし・・」 ゆっくりと「デュラハン」が剣を抜き放つ。 「先手・・必勝!!」 瞬動の加速をもって斬り掛かる。 ギィィン!! 防がれ、鍔迫り合いとなる。 力では敵わない・そう判断して大きく後退を試みるが・・デュラハンは即座に間合いを詰め剣を振り回す。 「く・・!!」 剣で防ぎながらも後退を続け・・間合いは離れない。 ギィン!ギィン!ギィン!! ・・・打ち合わされる度に刃が欠けていく。 速さはそれほど早くは無い、大雑把で素人が振り回しているだけのようにも見えるが・・重過ぎる。 ギィン!ギィン!! さらに打ち合わされる剣と剣。 デュラハンは声無き叫びを上げながら斬撃を放ち、瓦礫を粉砕していく。 「このおおおお!!!」 ジリジリと後退している狩月が渾身の力を籠めて剣を叩きつける。 バキィン!!! 砕けたのは狩月の剣、デュラハンは返す刃で狩月を叩き飛ばす。 ドガン!! 凄まじい音とともに壁に叩きつけられる狩月、デュラハンが持つ剣が古く錆び付いていたため、斬られてはいないが・・右腕は痺れて動かない。 「あぐ・・・くっそ・・」 ゆっくりと近づいてくるデュラハン。 「マジックショット!!」 ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!! 次々とデュラハンの背に着弾していくマジックショット。 「これで・・ラスト!!!」 ドゴン!! 杖に渾身の魔力を流しデュラハンを殴り飛ばす想花。 「ストライクタッチ」魔力を籠めた杖で対象を殴り飛ばすスキル。詠唱の必要が無くただ魔力を通して殴れば良いだけのため即座に使うことができる。 ガガガガガガガガガガガガガガ・・・ 地面を削りながら吹き飛ばされていく巨体。 前へ |次へ |
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