《MUMEI》 紀元白衣の老人は、白いもじゃもじゃのヒゲを細長い手でいじくりながら足元の装置を見つめていた。 「何も起こらないですね。」麻服の一人が言った。 「そりゃまあ、すぐには起こらんよ。」と老人 「よし!これで終わりだ、もう帰ろう。」足元を見つめながらいった。 「えっ!?でも、まだ何も起こってないじゃないですか!」 「だから、すぐには起こらんと言ったろう。何か起こるのは今から二千年後じゃ。」 「二千年後!!?僕たち生きてないですよ!」 「えっ、君達、寿命何年だっけ?」 「長くても八十年ですよ!」 「あそっか、ごめんごめん、わし寿命五億年だし」 「・・・あ〜、なるほどつまり、あなたは、その〜、人間じゃ、ない。」 「今頃、気付いたのか」 二人は、あらためて老人を見てみた。 良く見ると確かに人間離れしたところがあった。 まず、手足の指先にかけてが異様に細長かった。 もっと良く見ると、皮膚が少し緑がかっていた。 さらに良く見ると、今まで気づかなかったが、指が七本ずつあった。 さらにもっと良く見ると、腕と足が三本ずつあった。 そこで、ふと、頭に目を向けると角が生えていた 「って、ぜんぜん人間じゃねぇ!!」麻服の一人が言った。 前へ |
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