《MUMEI》
喧嘩
なにさ、新婚早々妊娠させといて。自分は、ちゃっかりお水の女とお楽しみな訳?ふざけんなよ。

そう思ったけどやっぱり私も悪いのかなぁ。亮の事もっと大事にしなくちゃいけないのかなぁ。

私なりに出来る範囲で亮の事、喜ばしたりする努力が足りないのかしら。

「ねぇ、最近亮の会社、出張増えたんだね。」

「全く、新婚なんだから少しは気を使えよな。でも、父親になるんだし稼がないとね。」

「今まで全然出張とかなかったのにどうして急にそんなに忙しいの?」

「仕方ないだろう。仕事なんだから。」

「最近、亮冷たいよね。ちっとも私の体に触れてくれようともしないし。そういう極端な態度って女を傷つけるって知らないの?」

「なんだよ彩。随分絡むな。ヒステリーは胎教に悪いぞ。」

「安定期なんだから少し位スキンシップしたって平気だよ。」

 私は、今日は徹底的に亮に奉仕するつもりだった。

「やめろよ馬鹿。そんな気起きないよ。」

「それ、どういう意味?」

「そんな大きなおなかじゃ欲情しないよ。」

「ひどい。誰がこんなおなかにしたの?妊娠させといてそんあ事いうなんて。卑怯者。」

 たまらず私は、泣きじゃくった。体をうつぶせにしてうずくまって、手足をジタバタさせてヒステリックに泣いた。

こんなに取り乱したのは、初めてだった。なのに亮は背中を向けて部屋を出ていった。

 構わず私は泣き続けていた。こうなったら私だって女の意地がある。

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