《MUMEI》
世界一
.




皆さんは"沖縄"といえば何を思い浮かべるでしょう……。


私はやっぱり綺麗な青い海。


沖縄限定の珊瑚礁。


食べ物では、ゴーヤーや砂糖黍ですかねぇ…。


やはり、西表島の西表山猫とかね。


で・す・が………


彼・雅樹氏は違いました。


私にそんなモノ紹介してくれなかったのだ…。



沖縄観光で行ったところ……



それは……





「いやぁ〜ここの店、俺の行き着けなんだけど〜昔と変わらない!いいところだ!」


彼・雅樹の行き着けの店。


「雅樹……ここは……??」


「だから〜俺の行き着けの店!」


沖縄まで来て何故に行き着けの店を紹介されなくてはならないのか……。


「秋菜!気に入った??」


「料理食べないと分からない」


「そーだな!あっ!!きた♪」


「とゆ―より、何でここでも帽子被って移動してんの!?誰に見られたっていいでしょ?」


「ダメだよ!!沖縄までマネージャーが来てたりしてたら、俺は終わりだ!だからこんな格好なの」


沖縄までマネージャー?


そんなわざわざ………



ここまで来ないでしょ。


「ってか早く食ってみて!!!!美味いから!」


私は急かす雅樹を横目に料理を口に運ぶ。


…………………!!!!!!!



「………っ……おいしい…!!」


「だろ!?」


本当に美味しかった。


こんなもの食べたことないってぐらいに。


「こんなにおいしいもの食べたことないかも…」


「俺にとってここは世界一だからな!」


「……そうだね」


雅樹はこんないいところで生まれたんだ…。


私は―………………


「あっ!!違うわ!!」


「えっ?」


「さっきのコトバ取り消し!俺の世界一は秋菜の料理だわ!!」


「雅樹…………」


「秋菜の料理はまじで美味いからな!!またつくってくれよ♪」


涙が……でそうになった。


こんなこと言われたことないもん。



雅樹……………。



何であなたは私が言ってほしいことばっかり言うの??


泣かせたいの??





雅樹…………



私が今、世界一だと思うのは…














あなただよ。









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