《MUMEI》
街ノ人々
「あっ姫様だ!」
城の門を出てすぐ、声をかけられ、紬はにこりと笑った。

そして、少し歩くと大きな噴水のある広場に出た。
街の人々が紬の回りに集まって来た。

「姫様。私、天使に認定されたのよ。」
「姫様、僕も!」
「あたしも!」
背中に羽のついた人々にが紬の回りに群がった。

紬は困ったように苦笑いを浮かべた。

「姫様、羽遣いの踊りを見せていただけますか?」
古びた住宅から出て来た老婆が言った。
「世奈婆様…喜んで!」
紬は人々から一歩下がると、手を顔の前にだした。
世奈婆さんを中心に手拍子が起こる。

紬が手を上下左右に動かしながら、足を小刻みにステップさせ始めた。

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