《MUMEI》
王座ノ間
「姫様!どこへ行かれ…。」
お付きは途中で話しを止め輝を見た。
「姫様こちらの方は?」
お付きは扉を閉めながら言った。

「あたしの契約天使よ。今から父上に紹介に行くから。」
紬は表情一つ変えずに言った。
輝はその姿を見て「凄いなぁ。」と心の中で思った。

紬と輝は王座の間の前に来た。
紬は輝の目を見て頷いた。『大丈夫』のサイン。

二人が息をつくと扉が開いた。
「父上。あたくし、契約天使を決めましたわ。こちらの方にします。」
紬は歩きながらそこまで言い、王座の前に着くと、輝の肩に手を置いた。
輝は頭を下げた。
「おっ…お嬢様から御指名を受けました。あっ…輝と申します。」
輝は天使をアピールするため、羽をバサッと広げた。

「父上。あたし、早くこの方に契約天使と自信を持っていただきたいので、契約天使用の服を早目にお造りになって頂けますか?」
紬が言うと王様は「わかった。」と小さく言い、頷いた。
「有り難う御座居ます。」
紬は深く頭を下げた。輝も慌てて頭を下げる。


「下がって良い。」
しばらくして王様が口を開いた。

紬は小さく頭を下げて、王様に背を向けた。


紬と輝が王座の間を出ると、王様は眉間に皺を寄せた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫