《MUMEI》
輝トノ約束
「イェーイ☆」
部屋に戻った紬と輝はハイタッチをした。
「輝!羽めちゃくちゃ綺麗だったよ!」
「ありがと…ひ…じゃなくて紬。」
輝は照れ臭そうに頭をかいた。
その姿を紬は嬉しそうに笑った。

「そういえば、輝のご家族は?」
「…地上。」
「あっそうなんだ…ゴメン…。」
輝は首を左右に振った。
「うううん。いいんだ。元々、天使になるの反対されてたから。」
「そっか。」

しばらくの間、沈黙が続いた。
「明日になれば、僕以外の天使は地上へ行くんだよね?」
「うん…天使だった事も忘れて…。そだっ、明日は輝の事の発表もするからね。」
「えー…やだぁ…。」
輝はものすごく嫌そうな顔をした。

紬は急に真面目な顔をした。
「そうだ輝、これだけは覚えていてほしいの。」
「なに?」
紬は他に聞こえないように輝の耳に口を近づけた。
「貴方が契約天使になって、他の人は悲しんだ。しかも偽りなんて知ったら…。だから、貴方は契約天使としての仕事を全うすること。あと、自信を持つこと。わかった?」
紬は耳から離れた。
「うん。」
輝は力強く頷いた。

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