《MUMEI》
紬ノ兄弟
「明日には、隣に輝専用の部屋が出来るわ。あと、契約天使の仕事内容について専門家が来るから、頑張って教わってね♪」
「…どんな仕事があるの?」
輝は不安げな顔をした。

紬はこめかみに人差し指をあてて考えた。
「詳しくは知らないけど、お付きがやってくれる事以外を…あっ!!お兄ちゃんの契約天使の人に聞けばいいわ!」
「紬に兄…ヤベッ、王子がいたのですか?」
「えっ!?知らなかったの?輝って王族の事なにも知らないのね。いるわよ…4つ上の時雨兄様、あと3つ下に神楽って言う弟がいるわ。」
紬は何故か勝ち誇った様な顔で言った。

「時雨様かぁ…契約天使の名前は?」
輝が聞くと紬は又こめかみに人差し指をあてた。
「確か…雫だったわよ。ちなみに女の子よ…あたしと同い年の。お兄ちゃんに紹介ついでに会いに行く?」
「行く!!」
紬が首を傾げると、輝は大声を出した。
紬は人差し指を口にあてた。
「しぃー!!静かにしなさい!近所迷惑になるでしょ!?馬鹿ね!」

丘の上に建つ城の姫君が何を言っているのだ、と思ったが、又『馬鹿ね』と言われそうなので輝はそっと心にしまった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫