《MUMEI》
輝ノ弱音
輝は唖然としていた。

食堂にある大きなテーブルの回りには、王様、お后様、時雨、神楽、雫、そして紬と輝。
それぞれの前には、スライスされたフランスパンとそれぞれ違う色のソースが置かれていた。

輝以外は手際良くそれを口へ運ぶ。
輝も見よう見真似で食べる。

その後、肉料理やサラダやデザートが出て来て、その度に輝は慌てていた。


「ゔ〜…づかれだ〜。」
食事を終えた二人は、紬の部屋に戻って来た。
「なに情けない事言ってんのよ!?」
紬は口を尖らせた。
「だって、なに?あの食事ぃ。」
「馬鹿ね、これから毎日あの食事よ?どうするの?」
「死す。」

―バシンッ
紬の手が後頭部にヒット。
「馬鹿な事言ってんじゃないわよ。あたしもう寝るわよ。輝は今日はそこで寝て。ハイこれ毛布。」
紬は一息で言い、ソファーに毛布を投げた。

輝は、
「まだ八時じゃん。」
と呟き、紬のベットを通り越しベランダにでた。

冷たい風が輝の頬を摩り、輝は刺すような痛みを感じた。

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