《MUMEI》
そういえば俺一睡もしていない。
なんかもう……。
「朝なんてムリぃ、あぁっ、もう…ぁっ…」
「ムリなんて嘘つくなよ…、こんなに感じちゃっててよ…、
てかお前、俺以外の男にもー触らすなよな、分かったか…」
耳元でそう言われて…
俺は必死に頷いた。
▽
気がつくと…明るくなっていた。
意識がぼやけた状態で眼を擦る。
横を向くとベッドに俺は一人、少し寂しさを感じた。
とりあえず起き上がってみるとコーヒーの匂いがして、何だかほっとする。
するとすっかり着替えた秀幸がやってきて、ベッドに座ってきた。
「お早う、朝から真っ白だな」
「もー!なんだそれ、…ンッ……」
手を握られながら唇をすっと重ねられた。
俺がゆっくりと眼を閉じると、ギュッときつく抱きしめられた。
「お前最中に寝るなよなー!ちょっくらショックだったぞ」
「え?…あ…」
そうだ、気がつけば朝…みたいな…。
秀幸がちょっとだけむっとした表情で俺を見ている。
「ご免なさい」
「ヤだね、タダじゃ許さねーし」
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