《MUMEI》

そういえば俺一睡もしていない。

なんかもう……。

「朝なんてムリぃ、あぁっ、もう…ぁっ…」

「ムリなんて嘘つくなよ…、こんなに感じちゃっててよ…、
てかお前、俺以外の男にもー触らすなよな、分かったか…」





耳元でそう言われて…





俺は必死に頷いた。













気がつくと…明るくなっていた。






意識がぼやけた状態で眼を擦る。



横を向くとベッドに俺は一人、少し寂しさを感じた。

とりあえず起き上がってみるとコーヒーの匂いがして、何だかほっとする。






するとすっかり着替えた秀幸がやってきて、ベッドに座ってきた。



「お早う、朝から真っ白だな」




「もー!なんだそれ、…ンッ……」





手を握られながら唇をすっと重ねられた。




俺がゆっくりと眼を閉じると、ギュッときつく抱きしめられた。





「お前最中に寝るなよなー!ちょっくらショックだったぞ」



「え?…あ…」




そうだ、気がつけば朝…みたいな…。






秀幸がちょっとだけむっとした表情で俺を見ている。



「ご免なさい」



「ヤだね、タダじゃ許さねーし」

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