《MUMEI》
どうしよう…、つか前も寝ちゃったんだっけ。
こんな時って…えっと…
「もー!そんな困った顔すんなってば、嘘だって、気にしてねーよ、ゴメンゴメン」
頭を優しく撫でられ、
「うん…、ゴメンね」
甘いキスが心にも躰にも心地良くて、俺達は何度も角度を変えては唇を重ねた。
秀幸は指先で俺の肌を辿りながら、何度も白くて綺麗だって言ってて、思わず俺は笑ってしまった。
子供の頃はこの白さのせいでいじめにあったりもしたけど、
今は好きな人がそれを気に入ってくれてるなら…
もうコンプレックスに感じる理由はないなって…。
秀幸は俺を後ろから抱きしめてくれて、俺は甘える様に寄りかかる。
秀幸の手を取り、ぬくもりを求めてそこに唇を押し充てると、
秀幸は俺のうなじにキスをしてきた。
「秀幸の指って何号?」
「ん?指輪の事か?
15だった様な違う様な…」
「俺は14だけど…、どうかなぁ」
俺は右手の薬指にはめているリングを外して秀幸の薬指にゆっくりとはめてみる。
「入ったなあ、似合うか?」
「うん、俺より似合ってる」
秀幸は俺を抱きしめたまま、まじまじとリングを観察している。
「このデサイン良く見かけるけど何だ?」
「クロムハーツだよ、このリングは始めてのギャラで買ったんだー、自分にご褒美で…」
「あー何かダチもクロムハーツがどうのって言ってたなあ…」
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