《MUMEI》
龍と翼
ロシュが叫ぶが反応できたのは琴のみ。
ボキン!!
「が・・」
デュラハンが狩月に向かって振り下ろした一撃を琴が弓で防ぐが一撃で砕ける。
返す刃で琴は狩月を巻き込んで吹っ飛ばされていく。
想花やボンカーの目には突然二人が吹っ飛んだように写っただろう。
ロシュでさえ、二人が吹っ飛ばされた後でしか、攻撃を仕掛けることもできなかった。
ガギン!!ガギン!!
ロシュがデュラハンに向かって連続で斧を叩きつけていく。
「何してんだ!!とっとと行け!!足の遅い奴らが居たら逃げるに逃げられないだろうが!!」
デュラハンに攻撃を続けながらボンカー、想花に向かって怒鳴る。
「こいつは引き受けるから逃げろ」と一瞬ボンカーに向けられた眼が雄弁に語っていた。
「・・・狩っちゃん・・琴・・・?」
想花はまだ呆然と、二人が吹っ飛ばされていった方角を見つめている。
「・・・想花、悪い!!」
バシン!!
想花の頬を思いっきり叩き、強引に腕を引いて走り出すボンカー。
「ロシュ・・・」
「さっさと行け。俺の頑丈さはあのマータロット・ゴート並みなんでな!そうそう死なねえよ!!」
うりゃああ!と声を上げながらデュラハンに攻撃を仕掛け続けるロシュ。
「今度、飯でも奢ってやるよ!!ただし、一品だけな!!」
ニッと笑顔を見せると走っていくボンカー。

パシン!!
戻って来たシルフィールドを受け止めると大きく翼を羽ばたき、さらに高く飛ぶ。
「コレだけ上空なら回りも巻き込まないし・・」
リオレイアもリアムを追うように上昇してくる。
「アアアアアアアア!!」
咆哮に応じるように数百発の炎弾が次々と打ち放たれる。
「・・・・囮のつもりだったんだけど、倒しても問題は無いハズだよね。」
翼に魔力が通り、爆発的な機動を可能とする。
弧を描くように移動を続けながら炎弾を回避していくが、こちらの動きに合わせて半数以上の攻撃が軌道を変化させながら追いかけてくる。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫