《MUMEI》
*。*水族館*。*
.



「わぁ〜!!あのペンギン可愛い」


私は水族館に来ると、幼い子供みたいにはしゃいでいた。


そんな私を見てちょっと苦笑いの和哉くん。


「愛梨沙はしゃぎすぎだから〜」

「だって〜水族館に来たの久しぶりなんだもん!」


「全く……迷子になるよ?」


「ならない〜!!子供じゃないんだからね!!」


私は頬を膨らませながらスタスタ歩く。


和哉くんてばひどい!!


私のこと、子供扱いして!!


「愛梨沙ごめんてば〜!!あっ!!イルカショーやるじゃん」


「えっ!?イルカショー!?」


私は和哉くんの声に反応し、和哉くんのところまで戻る。


「行きたい??イルカショー」


「行きたい!」


私が子供みたいにそう言うと和哉くんは私の頭を撫でた。


「じゃ、行こっか」


和哉くんは私の手を握って歩き始めた。














〈はい!!そこでジャーンプ!!〉

『わぁ〜〜!!』


イルカが勢いよくジャンプすると明るい歓声と盛大な拍手が巻き起こる。


私もそれにつられて盛大な拍手をする。


「イルカずげぇ〜」


「本当だよね!!可愛いし♪」


私と和哉くんは最初から最後まで感激しっぱなしだった。














「今日は楽しかったなぁ〜!!和哉くん!ありがとね♪」


「おぅ!!またどっか行こうな!!夏休みは長いから」


「そうだね!!」


付き合い始めて初めての和哉くんとのデート。


凄く楽しかったなぁ♪


和哉くんと沢山、喋れたし!!


和哉くんの"彼女"って実感できた!!


これからも楽しい思い出を沢山つくりたいな〜!!



「愛梨沙!!家ついたよ」


「あっ!!本当だ……」


つくの早すぎ………。


もっと和哉くんと一緒にいたかった…。


「おくってくれて………ありがとね」



私は俯きながら言った。


空は徐々にオレンジ色から黒へと変わってゆく…。


「愛梨沙……好きだよ」


「私も………」


「電話とかメールするから」


「うん………」


「こっち向いてよ」


和哉くんがそう言ったから私は上を向いた。


すると……………






静かに私の唇に和哉くんの唇が重なった。






「…………和哉くん………」


「寂しい顔すんなよ…俺、不安になるから」


「………うん!!!!」


「愛梨沙は笑顔が一番!!じゃ、またな☆」




和哉くんは私の頭をクシャクシャしてから、笑顔で去っていった。








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