《MUMEI》
伊藤視点
俺は立ち上がり裕斗の傍に来た。
「こうやってなー…ほら、食ってみ」
俺は裕斗の指を掴み、手を正しい持ち方に直してやった。
すると裕斗は、お前は幼稚園児か!と突っ込みたくなる位怪し手つきで鮭を挟もうと奮闘している。
「指つる…これめっちゃムリ!」
「そんなんでつるか〜!い〜から直せ!
ゆうちゃんは完璧に俺好みにしてやるからな、覚悟しとけよな」
え?とでも言いたげな表情で裕斗は俺を見てきた。
「俺と付き合った事…絶対後悔させねえからな、覚悟しとけ」
ガタン!!
「秀幸!」
「わっ!ゆうちゃん!」
突然立ち上がり抱きついてくる幼い恋人。
もう可愛いくって可愛いくってどうにもならん。
「俺頑張って覚える、だから俺の事捨てないで…」
「 バカ、誰が捨てっかよ、こんなに愛しくて愛しくてしゃーないのに…
ほら!早く食え!」
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