《MUMEI》

その時…


係員『それでは第1ライダーの方はコースに出て下さ〜い。』

オフィシャルの男性が拡声機で呼び出しをかけた。


すると岡ヤンの身体がピクリと動き、勢い良く椅子から立ち上がった。


『おしッ!!…そんじゃあ行ってくるゎ…!』

気合い十分だ。


兄貴『飛ばし過ぎてコケんなょ!!』

岡ヤン『おぅ!』

差し出された兄貴の掌に、岡ヤンは力一杯に拳を叩きつけた!


オレ『頑張ってな〜』

岡ヤン『お前もな〜(笑)!!』

オレの掌にも拳が叩きつけられた!


岡ヤンは普段の物静かな印象とは全く違う、荒々しいハイタッチを交して赤白の NSR に跨った。


オレの掌は、暫くジンジンと熱かった…。

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