《MUMEI》 マキ朝は、複雑な気持ちでいっぱいだった。 教室に入ると、まずマキのところに行った。 「お、おっはよー♪」 「おはよ、マキ。 …ちょっと、話が…」 「??…どうしたの?」 「あの…昨日、マキが言ってたこと…」 「昨日??あたしなんか言ったっけ??」 首をひねるマキ。 そのとき、 「おーっす!!! 相原、と、木村!!」 梶野が元気よく教室に入ってきた。 「おはよー梶野」 「…お、はよー」 やっぱり、近くにいられると、緊張する… 寝癖とか、大丈夫だったかな…?? 髪に手をやると、 「相原、元気ねえなー! テンション上げろって!!」 ぽんっ、と梶野に背中を叩かれた。 「…べ、べつに、元気ですー!!」 そう答えたとき、 「梶野!!工藤先生が呼んでっぞ〜!!」 梶野が、教室に入ってきた男子に呼ばれた。 「まじで!?…じゃー後でな、相原」 そう言って荷物を置くと、 梶野は教室から出て行った。 「…幸、もしかして…」 マキがゆっくりとこっちを見る。 「…う、うん…」 俯きながら答えると、 「…よかった!! 幸もついに、素直になったか〜!!」 と、頭をなでなでされた。 「…もー…、なんか、恥ずかしい…」 そう漏らすと、 「なーに、言ってんの!! 好きな人がいるって、いいことじゃん!! ―…で、梶野には??」 「…言えるわけ無いよ!! 笑って片付けられるのがオチだよ…」 ―…そうだ。 梶野はきっと、あたしのこと、 『いい友達』ぐらいにしか思ってない。 「…そんなことないと思うけどなあ〜 …ま、時間はたっぷりあるからね♪ ゆっくりで、いいんじゃない??」 マキがあたしに笑いかける。 「…うん」 「よし!!…まずは体育祭だね!! …明後日、がんばろう!!」 「うん!!」 …ありがとう、マキ。 ―…明後日は体育祭。 何かいいことおこるかな…?? 前へ |次へ |
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