《MUMEI》
クラス
.




雅樹が芸能活動を再開してもう二週間がすぎていた。



テレビをつければ私のそばにあった笑顔が見れる……


だけど、もう私だけの笑顔じゃないんだよ…


私に向けてる笑顔じゃないんだよ…


そんな笑顔…見たくない…






私………



雅樹に出会って

ワガママになっちゃった……。





私はかなり久しぶりに高校に行くことにした。


一人でいると雅樹を思い出してしまうから……。



久しぶりに着た制服は入学した時の緊張感を思い出させた。










2年6組…。



久しぶりに入るなぁ……。



教室のドアのゆっくり開けた。


―ガラガラ



鈍い音をたててドアは開く。




教室にいた人たちの視線は一気に私へ向けられた。



続く沈黙―…。


私は俯く。



すると………



「やっと来た―!!!!秋菜!!私たち待ってたんだよ♪」


明るい笑顔で私の元へ走ってきたのは二年になった時、一番最初に私を受け入れてくれた千夏だった。


「相変わらず可愛いなぁ♪」


千夏は私のカバンを引っ張って教室の中心へと連れて行った。


「千夏……????」



よく見ると………



千夏は涙を流していた…。



「秋菜…………このクラス嫌いなの????」



「えっ……」



「全然来ないじゃん!!私いっつも下駄箱で待ってるんだよ!!今日は来るかもしれないって思いながら!」


「千夏…」


「私だけじゃない!!皆そうなんだよ!!遅刻してくるかもしれないと思ってノートとかも全部書いたりしてる!!」



すると千夏は窓側にある一番後ろの席から何冊かも分からないノートをだした。



「これ!!秋菜のだよ!!頭がいい秋菜にはいらないかもしれないけど私たち一生懸命、書いてたの!!」



嘘だよね―…………????



こんな私の為に??


「秋菜は………このクラスの憧れなの……美人だし頭もいいしスポーツだって出来るし…!!!」


「本当に………????私が??」



「そうだよ…!!」


私はいつの間にか涙を流していた……。


「ありがとう……!!」






いい人しかいなかったんだ。



このクラスには……。




なのに私は…




何も考えないで…………





明日からは………




ちゃんと来るね。

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