《MUMEI》
自由
.



私は無駄に自分を売ることを止めよう。



人の言うことを聞くことを止めよう。



雅樹だってそれを望んでいるでしょ????



きっとクラスの皆だって……。


自分の人生だもん。



無駄にしちゃだめだよね…。















「止める?」



今日は両親の家に来ていた。


いつ見ても立派な家で何故か私は緊張感に包まれていた。




「うん………もう止めたいの…自分を他の人に売るのを…私は自分の人生を大切にしたいって思ったの……………」



「そうか…………」



お父さんは頭を、抱え込んでいる。



お母さんは俯いている。



「いいんじゃない??」


いきなり、後ろから声が聞こえた。



声の主………


それは……


「梨美………」



私の妹の梨美だった。



「いいと思うよ?お姉ちゃんの人生だもん。お姉ちゃんが決めることだよ?」


「………そうだな」


「お父さん……!?」


「秋菜の人生だ…………お父さんたちが言ったことを何時までも守らせて退屈な人生をおくってほしくない」



信じられなかった。



こんな答えがお父さんの口からでてくると思わなかった。




「………ありがとう……」



私は泣きながら言った。














「お姉ちゃん帰っちゃうの??」


靴を履いている時、妹の梨美が話しかけてきた。


「うん…帰る」


「そっか〜そういえばお姉ちゃん……泣いてたよね」


「………えっ?それが何?」


「初めて見たんだよね!!私!お姉ちゃんの泣き顔!」


そういえば…………



私、梨美の前では泣いたことないんだ。



「お姉ちゃん…………変わったんだね………いつも綺麗だけど今日は何時もより綺麗な気がする………きっと誰かがお姉ちゃんを変えてくれたんだね」



私………



変わった…………????





「また来てね〜!!」


梨美は笑顔で言った。



私は立ち上がり、家をでた。






私…



変わった……のかな…?








今日…………




私は自由な人生を手に入れた。

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