貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》――出陣――
出戦の命令書を受け取ったアルケインは、それを握り潰した後に、中世騎士が被るような形の鉄兜を取りつけた。
緑に塗装された開閉式フェイス・ガードは、彼の瞳と同じエメラルド色に塗装されていた。
彼が長剣を腰にさして歩き出すと、身に着けたままの鎧と長剣がぶつかり合い、鉄靴の着地と同時に金属音を響かせる。それは、彼が戦場に向かうことを強調する以外の何物でもなかった。
「レイシス小隊長をここへ」
命令を受けた衛兵は、自分の任地であるテントから離れ、レイシスという男を求めて駆け出した。
やがて、知的な印象を受けるその姿を現した小隊長は、開口一番に「助ける相手は?」と、面白そうな顔で聞いた。
「……かの有名な猛将を助けに向かう。
まだ生きているなら、だけどな。たとえ死者が将軍であっても、それを強攻して持ち帰るほどお前達の命は軽くはない。
そしてこれより、お前は精兵三〇人を率いて俺の護衛に就いてもらう」
その言葉に、レイシスは目を見開いた。この時、彼が感銘を受けたことは誤魔化しようのない事実だった。
「あんた……立派な野郎だぜ」
そう呟いたレイシスは、自分の細剣を手に取り、先端を上に向けて構えた。
「このレイシス・フォールダット、身命を賭して貴殿をお守り致す」
「……期待させてもらおう。いくぞ!」
長剣を引き抜き、アルケインは出陣の号令をかけた。
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