《MUMEI》
夏川のコトバ
.



私は毎日、学校に通った。


学校に行けば沢山の生徒たちが笑顔で迎えてくれた。


楽しくて幸せな時間………


雅樹のことも少しだけ忘れることが出来た………。













「文化祭………??」


「そう!!秋菜は何かやりたいことある?」


最近、友達になった遥(ハルカ)が突然聞いてきた。


「私はバンド!!」


と、千夏が手を挙げながら言った。


「千夏じゃなくて秋菜に聞いてるんですけど〜!!」


「バンドやるなら俺がvocalやりた〜い!!」


そう言いながら話に割り込んできたのは同じクラスの夏川 雅也(ナツカワ マサヤ)だった。



「夏川には聞いてないからぁ〜ってか割り込んでくるな!!」


「なんでだよ!?文化祭のこと決めてるんだろ??俺も関係あるだろー!!」


遥と夏川は言い合っている…。


これじゃ私………


何も言えない。



「2人とも!!秋菜が困ってるでしょ!!」


「あっ…秋菜ごめんね…」


「ごめんな〜」


「別に………平気だから、ね?」

私は笑って見せた。


すると…3人は驚いた顔をしていた。


私たちの傍にいた人たちも唖然としていた。


えっ…?


私、変なこと言った??


「……………た」


「えっ?千夏?」


「秋菜が笑った!!!!!!!!」


「えっ…………??」


「秋菜めっちゃ可愛い!何で今まで笑ってくれなかったのよ!」

「えっと………学校で笑ったの初めてだっけ?」


私は少し後退りしながら千夏にそう聞いた。


「初めてだよ!!秋菜は学校に来ても無表情なクールビューティだもんねぇ!!」


千夏がそう言うと次は遥が口を開いた。


「そうだよ!!驚いた!」


続いて夏川。


「お前、笑顔が一番だな♪」





あっ……



そのコトバ…………。




雅樹も………………。






「秋菜は毎日、笑顔でいろよ♪」




夏川のコトバは……………





私の心に……………






悔しい程、響いた。

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