《MUMEI》 彼女持ち「雲雀〜」 「おう!桜、セッティング終わったか?」 雲雀さんはあたしから手を離して桜さんに近づいた。 桜さんは、見た目が女子と見間違えてしまうほどの美人で、背と鼻が高いのが特徴的だった。 並ぶと『美男美女』って感じ‥かなりお似合い‥。 「あっ、律ちゃん。これでもコイツは正真正銘の男だから。なぁ〜桜ちゃん♪」 桜さんに同意を求めた雲雀さんは、桜さんに後頭部へのチョップを許してしまったらしく、頭を抑えた。 「阿呆雲雀。そんなんだから、彼女と音信不通になんだよ」 「なってねぇよ!!メールの返事が無いだけ!!」 ――ドクンッ あたしの心臓は大きく波打った。 「えっ?ひっ雲雀さん‥彼女いるんですか?」 あたしは思わず聞いてしまった。 「‥あぁ‥うん‥まあね」 雲雀さんは照れたような笑みを浮かべた。 「でもコイツさ、彼女の名前も教えてくんねぇの」 雲雀さんは自分の肩にのしかかる桜さんに「当たり前だ馬鹿」といい、脇腹をくすぐった。 「あひゃゃゃゃ!!無理無理!雲雀ストップ!スロップ!」 雲雀さんは呆れた顔をして手を離した。 あたしはどうしても気になって聞いた。 「雲雀さん‥あたしにだけ、こっそり教えてくれませんか?」 雲雀さんは緑のスパイクケースを持ち上げながら、 「秘密にする?」 と聞いて来た。 あたしは勿論「はい」と答えた。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |