《MUMEI》 「あ、テレビつけたんだ。」 仕事帰りは後輩にアシになってもらっている。本当は免許は欲しいけど時間がない。適当にチャンネルを換えた。雑誌も勝手に見る。 「…………俺捕まるかも」 「ええ、何したんですかレイさん!」 ……未成年と淫行。 雑誌でアイツの特集組んだ頁を見付けてしまった。 そして極めつけにCMときたもんだ。 大学生くらいだと思っていた。派手な身なりは芸能人だったせいか。テレビとか最近疎いからな……。 あの時は少し寝不足で弱ってたし……確かに犯したかもしれないけれど誘うそぶり見せていた。 ……事務所とかに訴えられたらどうしよう。 いくら払えばいいんだ。頭痛い……。 悩んで歩いたらいつもより倍かかって家路に着いた。 電気付いてる。 …………泥棒か? 鍵が開いていた。 「お帰り。」 「もっと厄介なものだった」 「笑顔でお出迎えしたのにその言い草は無いよ」 アッシュ系の髪から黒になっていた。車内で見たCMの為だろうか。 「お前未成年だろ、まだ17!親が心配してる。」 「あれ、俺が出てるの何か見たの?じゃあ知らないかな、両親離婚して俺今一人暮らしなの。」 「……高遠光だっけ? もう少し自分の立場わきまえなよ。」 「いつ辞めてもいいし。」 けろりと言うな。 「俺は嫌なの。この歳で失業とか考えられないし。 お前なんかのために俺の人生犠牲にしたくない。」 「いくつ?」 「……29」 「30には見えないね。」 「29だから。」 30言うな。 「……あの後、全身筋肉痛になった。 事務所とかには言ってないし初めてな訳でもないし責任は問わない、無かったことにする、大人しくするから、ここに来させて。」 ……何考えてる? 前へ |次へ |
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