《MUMEI》

「……ん、今何時だ?」

携帯を見たらまだ、昼過ぎだった。
全く嫌な夢を見た……、強姦した男が未成年で芸能人だったという、しかも家に普通に上がり込んで来て家に出入りしたがった。……俺の想像力って豊かあ。

……飯食べるか。冷蔵庫に何あったかな。

寝室から出る。テーブルの上に何か乗っていた。
焼飯のようなものだ。
……やっぱり夢ではなかったか。

温めて口に運ぶ。

「……塩辛い。ブッ、塩辛入ってる!」

高遠光ねー……。
なんで抱いたかな俺。昔の血が騒いだのか……。

手紙が皿の下に置いてあった。レイのこと知っていたのはこれでか……。
うろついていた間に盗ったようだ。

レイのこと……当たらずとも間違いではなかった。
あんなガキに自分の底を見られたことは恥ずかしい。
……そう、ガキ相手に怒ってる自分もガキなんだ。






……寝不足だ。隣人の一人で持て余す喘ぎと深夜の待ち人が寝かせてくれない。


そういえばこの辺に住んでるのか?知り合いに会ったらどう言い訳つけるつもりなんだろう。

強く断ればいいのだろうか。いや、きっとまた来る。

あんまり口が悪いから犯して泣かせたら関わってこないと思ったが、あれは恐らくドMだ。
今まで遠巻きに交わして来たタイプだったようだ。
このタイミングで俺に回ってくるなんて……面倒臭い。

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