《MUMEI》

「一般人は立入禁止なんですけど。」

「帰れって断ればいいのに」

肩に触れてくる。お腹空いたな……、タラスパ美味しかった。
さっき国雄が居た、追い掛けて行きたいのに嫌われているの知っているから、行けない。会いに行ってもあしらわれて終わる。
いい加減、諦めよう。惨めな想いをするだけだ。

「なんで来たの?」

こいつ暇人過ぎじゃねーのか。

「次の題材探し。」

嘘つけって、その肩の手はなんだ。

「……もっと隅寄らないと見られたらどうする?」

「どうしたい?」

手首を捕まえられ、床に押し倒された。

「キス以外ならね。」

「カラダは淫乱なのに……純情だよね。」

笑われた。俺もつられて可笑しくなってしまう。

的を得た表現だ。


彼はベルトに手を掛け、当たり前のようにチャックを開いて自分のモノを露出する。

「ホラ、御馳走だ。」

……どの辺がだ?とか考えても従順に舌を伸ばして先を口に受け入れた。
満遍なく唾液でコーティングする。
向こうは膝を立て進んで口に潤滑した自身を突っ込んできた。地面にへばり付きながら食らいつく。途中苦しくて咽ぶ。段々流れを掴み、両手で体を支えながら唇と舌で喰んだ。

こんなこと学校でしているのがバレた日には生きていけない。でも、拒み切れずに従ってしまう。
その俺の特性を愉しむように俺に命令してくる。

「……下も」

言われた通りに睾丸の裏まで嘗めてやる。

上から荒い息が笑いと共に起こった。気が散るので下から睨む。

扉の嵌め込まれてる小さい硝子の中の目と合う。

「止まるな」

何言ってるんだ、俺を退学にさせるつもりか。こいつのことだ、人が見てたの知っていてやらせたんだ。




刺すような視線、身震いしてしまう。

硝子に映らなくなるまで目が離せなかった。引力みたいに吸われる。







あれは、国雄だ……
心拍数が上がる。

こんな姿を見られてしまった。

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