《MUMEI》

「やーぁ、イヤぁ、 いたいぃ  いぁ …………あ、ン 」

痙攣が強くて入口でせき止められてしまい、叫びと力を抜かすために唇を重ねた。溶けそうな舌が必死に逃げ惑う様は支配欲を掻き立てられる。

口の中の抵抗が無くなり、空いた両手を光への侵入拡張に回した。

限界まで足を広げられ顔を地面に擦り付け、腰はほぼ持ち上げる形でやっと半分入れる。

「あったかいよ 、 う、 俺のはっ?」

半分も入ればこっちのものだった。後はどうにでもなる。ちゃんと中に感度があるのか確かめたいのと早く全て埋めてしまいたいのとで、つっついた。

「ヒッ、 いぁぁ! 」

キツくなっていく中に興奮する。中で浮き沈む音よりこの声が何よりエロい。

ぐんぐん突き上げる。頭は床で腕もだらりと落ちて上半身の機能は失っていた。
代わりに俺と猛烈なスキンシップを取る下半身は引っ切り無しに振動している。
生い茂る周囲を塗りたくるように中心を食らわす。
中は俺を咀嚼した。

「ああー……」

音声の体内への共鳴に気を良くして上気した柔肌の山をわし掴んで目一杯揺さ振った。

動ける。まだだ、
だって俺の名前を呼んでいないじゃないか。

俺じゃあなくて、どうして兄貴なんですか。

どうして……


「むつみさんッ……!」

彼女の名前と共に中で吐き出した。

「……寿史」

兄貴が精根尽きて倒れていた俺の前に佇んだ。

この時、兄貴に初めて殴られたのを覚えている。

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