《MUMEI》

千歳を千歳と呼び始めたのはいつだったろうか。

二人になって仕事が始まって、帰りが遅くなって「おしおき」が始まってからだ。

縛られたり堰止められたり犯されたり、意識がよく飛んでた。

今は千歳のこと名前で呼びたくない。
特に意味は見いだせないけれど、彼を名前で呼ぶ意味も同じく見いだせないからだ。


縛ることや繋ぐことはやはり動きにくくて嫌だ、でも我慢は出来る。堪えられないのは犯すことで俺から自由を奪おうとすること。

母さんにバレて一度は解放したのに、なんだって今更やってきたんだろう。


離れてからは風の噂で莫大な借金をして作家活動しながら返してると聞いた。いつ写真やら何やらで金をせびりにくるかびくついていたけど、それがきたのは五年が過ぎたときだった。

「光、まだ動けるだろ。もっと自分からしなさい。」

気が散っているのに気がつき俺の腰を揺すってきた。

「ああぁ……ん」

反射的に啼いてしまうのは悲しい性だ。
体格が同じくらいになってからは後ろ向きや特に手足を体の中心に集めて縛って入れられたりが多い。
今日は後ろ向きだからまだいい。

向こうにテキトーに任せて勝手にイかせようなんて考えたけどいつまでも終わらない。

「……ふ、悦いね光。」

さっさと果てて欲しくて弾くくらい振り乱してやる。恥なんて持たないから不名誉だとか思ったことはないけど、どこか虚しい。

「あ、 はっ、  イァ!」

人差し指を第一間接まで追加された。

「止まってる。」

指入りのまま突かれた。

「……イ、 っつぅ」

拡がっているにしても無理がある。入口がヒリヒリしていた。

「動いて俺を喜ばせて」

痛い。苦しい。動かさなければ、千歳しかもう俺にはいないようだから。


「……ぅうう、 アッ―!」


   ピュッ

体が波打つ。飛沫が飛んだ。


「あ、自分でイった。光は痛いの好きだよな。ほらこれは?」

イったばかりのに爪を立てられた。

「ヤっ…… ヤぁ 」

「気持ちイイんだろ。こんなになって……言えよ、好きだって一言を言うだけだ……。」

千歳は好きじゃない。お仕置きが始まってからは優しい兄ではなくなったから。

どんな酷い痛みも耐える。

だから、優しかった彼を家族として好きだということを無かったことにしたくない。

そして俺はまた未練がましく国雄を想うのだ。
なんて浅ましい姿……。

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