《MUMEI》
揺さぶり
"静"から"動"…


…そしてまた"静"へ…


岡ヤンによってペースを掻き乱されたフォーメーション・ラップは、他のライダー達の心理状態にどのような影響を与えたのだろうか…?


パンチパーマの駆るオレンジ色の NSR は、止まり切れずに2番グリッドを3メートルほどオーバーランした。

パンチは後ろを振り返り、ギロリと岡ヤンを睨んでいた。


他にもそそくさと後ずさりして、自分のグリッドにマシンを収めるライダーが何人かいた。


そんな中、岡ヤンは只一人ポール・ポジションにつけたマシンの上で、悠然と呼吸を整えていた。

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