《MUMEI》
根性無し
家に帰り、私は雅也が貸してくれたCDを机の上に置いた。



聴かないと…


ダメだよね……。


私はCDプレーヤーを出して、CDをセットした。



雅樹の声が聴けるんだ…。



なのに………


嬉しい筈なのに………



再生ボタンがなかなか押せないでいる私…。


何で…


押せないの―…………??


押しなよ、私……!!






私は結局、押せずに一時間が過ぎた。


根性無しの私…。


こんな姿見たらきっと雅樹は笑うよね…。


"秋菜らしくねーぞ!"って言いながら…。


根性無し………。




根性無し………。




昔から私はこんな自分が嫌い。



雅樹―…………




こんな私………




嫌い…だよね…。









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