《MUMEI》
二人の親友
現在時刻8時30分…

チャイムが鳴り響く…

(あのバカ共は今日も遅刻か…)

教室の扉が開かれる…

「席着けバカ共〜」

担任の山口、通称ヤマピーが入って来る…

「え〜っと…またあいつらは遅刻か…」

バタバタと廊下を走る音がする…

「ヤッベ絶対ヤマピーもう来てるよ」

「お前がさっさと起きないからだ!」

「…来たか…」

ヤマピーが静かに呟く…

教室の扉が開けられる…

「ゴメ〜ンヤマピー、遅れた、アハハッ」

「スイマセン、山口先生…遅れてしまいました…」

金髪でチビの軽そうな男と、黒髪のガタイのしっかりした男が入って来た…

「理由は?」

「寝坊」

ちっこい方が答える

“ゴッ”という擬音が教室に鳴り響く…

「非常に正直でよろしい」
「じゃあ叩かないでよ…」
ヤマピーの手には30センチものさしが…

ヤマピーの武器だ…

「まぁいい、二人共席着け…」

「イエッサー」
「はい」

二人が席に向かう…

「オッス宗ちゃん」
「おはよう、宗一」

こいつらの席は俺の前と横だ…
俺の前に座っている金髪が須賀 義人(すが よしと)俺の横に座っている黒髪が伊瀬 一馬(いせ かずま)
二人共俺の中学時代からの親友だ

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