《MUMEI》

…………ギシ…………

ベッドの上から見た高遠は浮世離れした美しさだった。脱ぎ捨てた服を握ったまま右腕で口元を隠し、横目で恥ずかしそうに見上げる姿は扇情的だ。

「明かり消して……そんなに見なくていいからっ……」

「見られる職業だろ?」

「状況が違う!……それに、国雄の裸を前に平静でいられる自信無い……!」

可愛いことを言ってくれる。すぐ明かりなんて気にならなくなるだろう。
高遠の体は身長の割に細身の筋肉質で、必要最低限まで洗練されていた。
体のラインはつい触れて確かめたくなる滑らかさだ。

笹川千歳のときのローションがまだあった。悲しきかな、自分が使われたものを使うことになろうとは。

「 ……っ 」

下肢に下りる指だけで高遠は感じ始めていた。



「唇噛むなよ。我慢するな。ほら。」

口内に指を入れてやる。舌先が当たり擽ったい。
空いた手で後ろの秘花を開いてゆく。指の腹でもきつかったが時間をかけて付け根まで沈む。
それまでには目を閉じて酩酊したように真っ赤な体の高遠が出来上がっていた。
中も熱を持ち始めつるつると指を中に通すたびに痙攣した。


開けたり閉じたりを繰り返すうちにくちくち、くちくちと鳴いてくる。


あまり動かさないで高遠の反応に魅入っていた。
息を荒らげて蒸発でもしてしまいそうな動きだ。

乳頭は弾けそうにしこりきって蜜口からは先に雫が滲み出ていた。

「キモチいー……?」

つい、聞き出してしまう。愉悦に溢れる口内に浸された指を離す。

「 ……っ、ぅン、 」

薄目で恐る恐る視線を送ってきた。ひくついた唇の端からは唾液が垂れ、劣情が剥き出しになってゆく。

互いの体熱で肌に隠された本能を焼いて溶かして露にした。



「もう、いいか?」

言ってくれ、俺に頂戴。
喉元まで込み上げてくる。


「も いい……よ」

たおやかに背中を浮かせ両手で俺の中心に触れてきた。辛そうに悸かせている。



欲しているに違いない。
俺だって欲しい。
挿れたい。

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