《MUMEI》

「はい、出来ました。」


黒い子は、マニキュアの蓋をしっかり閉め、どこかに消した。


また
手品だ…。


仕掛けは
どうなって
いるのだろう…。


「乾くまでに時間かかるの?」


「いえ、もう手も動かせますよ。」


「嘘?」


「嘘じゃないですよ。」


「え…でも…。」


私は自分の両手を見た。


本当に
動くのだろうか…。

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