《MUMEI》

俺に降り落ちる国雄の唇も声も指も優しい。

唇は俺が不安になれば埋めてくれるし、声は慈しみに満ち、大きな指は俺の内側で渇望している。

それに気が付けば早く欲しがってしまう。

彼の中心に触れたとき、わずかに揺り動いた。
形を辿ると変化を始めていたのを見逃さない。自分に欲情出来ていないのではなく、我慢をしていたと知った。

「こら、そこ触りすぎると入らなくなるぞ?」


「  ……アッ  」

尖端を握ってくる。堰を切ったように悦楽に乱れた。


これは知っている。
何度となく支配されたものだ。俺の支柱が身に染みて受けた。




「足上げてくれる?」

喉の奥がくっついたように渇いて会話もままならない状態だ。
行動で示す他ない。

ゴソゴソ、別の音がする。国雄に身を委ねる傍らで、ゴムを着けているのを聞き分けた。





最初は生でやったのに前とは違うのかとか、色々と考えてしまう。
こうして待つことの方が焦れて辛い。
そんなに持久力は持ち合わせていないし一方的な『おしおき』で弄ばれてきた体は後ろに指が入った時点で限界まできている。
下半身の痙攣が言うことを聞かずに更なる刺激を待って呼吸していた。


「腰浮いてる……」

不意に腰を持ち上げられて枕を挟まれた。
両腿を持ち上げて局部の裏全てが見えるようにする。恥ずかしいとか言っていられない。




     ツプ……

「……ふ、ふぁ ア」

当たる感触、生々しい硬度、反発させないように息も声も吐きながら拡げられた下の口を自分の指で引き伸ばす。

薄い膜のように張り詰めた神経が貫通されてゆく。

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