《MUMEI》

「おいーす」

「おー、あ、貴、それいいじゃん」

「まじ?今日の日のために買っといたんだー」

「これ今人気のやつだろ?色綺麗だなー」


俺が背負ってるリュックにかじりつく友達の一人の忠志(タダシ)。

「もしかしなくとも今日のカラーは」

「青でーす」

高々と人差し指を突き上げる。

ふと、横に現れた栗栖。

「あ、」

「ん?」

見ると、怪訝そうな顔。

「いいだろ栗栖〜。」

「…」

「あ、利希のカバン可愛い〜!」

「おっ、お前もニューカバンかよっと…

アアアアア!!!!!!」

栗栖の背中には、俺のと色違いのリュックが。

色は白。

「……」

「……」

「…、ごめ」

「おそろだなっ☆」

「え?」

すっげーウケる!!栗栖と同じリュックだった!!

俺は浮かれてた。

「これ背負いやすいよなー!まじ買って正解だし!な!?」

「…ぷっ。ははっ、確かに!!
栗原の色もいいなーって思ったんだよ」

「まじ!?なんだよー色も同じだったら余計よかったのになー!!」


一瞬、栗栖が目を見開いたように見えたが、すぐに笑顔になり、俺らは朝からはしゃぎまくっていた。

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