《MUMEI》

「な、な、浪川君?」


先生はすごく驚いた顔をしていた。


それは当たり前
私は今入院して
いるのだから。


「どうして君が…。君は確か、入院していたはず…。」


「先生!私をコンサートに出して下さい!」


「えっ?浪川君、怪我の方は…。」


「大丈夫です。ほらこの通り!」


私は自分の手が動かせることを先生に見せた。


「浪川君が大丈夫なら、いいけど…。」


「はい!ありがとうございます!」

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