《MUMEI》

『なりそこない…。』


「そのデンエさんたちは、ここにいるんですか?」


「いえ、遠い所でひっそり暮らしているそうです。」


「そうなんですか…。」


アキラはしょんぼりした。


「あっ、すみません。気を悪くされましたね、どうぞごゆっくり。」


マスターは、俺たちに一礼し、テンアを手招きした。



テンアはマスターに近づいた。


「テンアさん、行きますか。」


「あぁ。」

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