《MUMEI》
優しいなぁ…《水城》
「やっぱり…新堂君は優しいね…」


「……………………は?」

不可思議な顔をされた…


「優しいねって…」


「…………バカかお前…」

バカにされた…


バカじゃないもん…


新堂君は優しいもん…


変わらない…


あの時と…


同じく優しい…


それが貴方のいいところ…

新堂君は手に持っていた袋の中の物を取り出した…


「…カニクリームコロッケパン?」


そう書いてあった…


なんかマニアックだなぁ…

「…………………………」

無言で食べ始める…


「あっ!」


そういえば、私もお昼途中だった…


お弁当の包みを開く…


「…おい…何してる…」


「お弁当食べようかなぁ〜って…」


「…………………………」

新堂君は腕の時計を見る…

「………今日だけだ……」

「いいの!?」


「今日だけだ…」


たぶん…許してくれたのは…時間が無いから…


今から教室に帰ってたら食べる時間なんて無い…


やっぱり…


優しいなぁ…

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