《MUMEI》
感動の再会
,




空は青い。



風は静かに音をたてながら私を通り過ぎてゆく。






「……………ま…さ………き?」


うまく喋ることが出来ない。



雅樹…………


何で………此処に―………。



「秋菜…………」


雅樹はゆっくり私に近づいてきた。


………帽子………
かぶってない………。


久しぶりにみる綺麗な顔。


そして………


「何泣いてんだよ!!秋菜は笑顔が一番って言っただろ!!」



変わらない笑顔。



「まさ………き………」


私は涙がとまらなかった…。


雅樹が今………
目の前にいる……。



私の…
目の前にいる…。


「ったく!笑え!!」


「無理ッ………!!」


「何でだよ!!笑え!!」


「………馬鹿……」


私がそう言うと雅樹は私を抱き寄せた。








「感動の再会………だな…」









「馬鹿……」



泣けるようなことばっかり言わないでよ……。


余計、涙がとまらなくなるじゃんよ!


「元気だったか?」


「…うん」


「そっか…良かった……俺も頑張ってたぜ??秋菜を想いながらな……」


雅樹―……











風が少し冷たい……




でも私は雅樹の腕の中……


"寒さ"なんて、感じなかった。







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