貴方の中の小悪魔
を知る神秘の占い《MUMEI》――勇姿――
高台の上に立ったアルケインは、広大な荒野で戦闘を続けている傭兵達を見下ろすと、真下には不利な味方を斬りつけているゴブリンの群が広がっていた。
「瓦礫の近くにいるハイデの部隊に救援を。彼女には、続けて左翼の部隊を助けさせろ。
あとの者は、俺に続け!」
命令と号令を発すると、彼は愛馬に跨がって長剣を振りかざす。
そして……高台を駆け下りた。
突然の強襲に驚きを禁じえないゴブリンの群は、いつの間にか、その強襲部隊の包囲下に置かれていることに気がついた。
「さっきまでの状況が、形勢を逆転して再現されたな、怪物め!
我らハルディア傭兵隊の力、思い知るがいい」 アルケインは怒れる獅子の如く、敵を蹴散らした。俯せに倒れ込んだ敵の背中に長剣を突き立て、完全に息の根を止める。
「兵力を集結させろ! 前方の多数の敵集団に錐行隊形で突撃、男爵閣下を救出する!」
半円形の包囲を更なる包囲網でくくった、アルケインが隊長を務めるハルディア傭兵隊は、その兵力を一点に集結させ、ゴブリンの円陣に穴を開けた。
「今だ!」
我先に、と駆け出したアルケインに続いて、レイシスも愛馬を駆る。左脇に抱えたランスが、ゴブリンの汚らわしい生肌を貫き、引き抜いた細剣で頭部を八つ裂きにした。
馬を飛び下りた彼は、胸に提げたナイフをゴブリンの首筋に当て、引き抜く。
「雑魚が!」
叫んだ彼の目には、すでにアウレス男爵の勇姿が映っていた。
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