《MUMEI》

兄貴『はぁ〜…健二ぃ〜もぉそろそろ準備しとけ〜』


(何や?…その溜め息は…)

オレの気合いが削がれてゆく…。


兄貴はようやく(夢のような)岡ヤンの走りから、(奈落の底に突き落とされるような)オレの走りに切り替わる現実を直視したのだろう。

悔しいが、オレ自身が一番よく解っていた事なので、反論もできなかった。


オレはムッとしながらも、言われた通り屋根の縁に吊してあったロスマンズのツナギを下ろした。

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