《MUMEI》
我侭二人
「・・・・・ふぅ。」
矢が魔力へと戻り融けるように消えていく中、彩詩が大きく息を吐く。
周囲に居たモンスターは全て上空からの一撃で地面に倒れ、動かなくなっていた。
「ふぅ。じゃ無い!!」
彩詩に綺麗なミドルキックが叩き込まれる。
「うぐ・・何すんの・・」
「私がまだ、戦ってたって言うのよ!!」
今度はハイキック。
「だって、ホークなら避けれ・・」
「避けるな!!」
咄嗟に避けた彩詩に合わせて、蹴りが軌道を変えて・・
ドン!
マジックショットがキティホークの脚に直撃、強引に止める。
「ア・イ・ズ〜〜?」
ギギギギと音がしそうなほどゆっくりとマジックショットが飛んできた方を向く。
「師匠・・あの、仕込みナイフ出たまま・・」
「・・・・・・あら、やだ。」
「あら、やだ。じゃ無い!!」
彩詩が逆襲とばかりにアッパーを打ち込む。
「一般市民に手を上げるなんて・・それでも守護騎士!?」
「善良な市民なら守るの!!」
ドタバタ・・ドタバタ・・バシ!
ドゴン!・・ベシベシ・・
「・・・バカ二人・・」
「・・はぁ。」
二人は文句を言い合いながら殴りあいを続けている。
「・・!!」
倒れていたモンスターが立ち上がろうとしていたのを見つけ、アイズが声を上げようとした。
「「邪魔!!」」
彩詩が放ったマジックショットとホークが放ったナイフが直撃、モンスターは今度こそ動かなくなる。
「しらけた。」
「同じく。」
彩詩とキティホークは互いに頷きあうと、
「アイズ、さっさと避難するよ。」
「リアムもいつまでもぼーとしてないで、まだ終わったわけじゃ無いんだから。」
「理不尽・・」
「我侭・・」
「「何か言った?」」
リアムとアイズが呟いた一言に、同じ反応を示す二人。

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