《MUMEI》

,



遥の様子がおかしいのは毎日、続いた。


千夏と真琴は気づいてなかったけど雅也だけは気づいていた。



「雅也………」


「何だ?」


私は屋上に雅也を呼んで遥のことについて話をした。


「雅也は気づいていると思うけど…最近、遥の様子……おかしいと思わない?」


雅也は少しの沈黙の後、静かに口を開いた。


「………思う」


「やっぱり雅也も気づいてたんだね……」


「うん…作り笑いだし、何か喋る時キョドってるし…何かあるよな…きっと」


私はあえて、腕の傷のことは言わなかった。


何故か分からないけど、言っちゃいけないような……気がしたから……。



「まぁ、もう少し様子みてみようぜ?さすがに千夏と真琴だって何時かは気付くだろ」


「そうだね…」


私と雅也は暫く、遥の様子をみることにした。













雅也が教室に戻った後、私は空を見上げた。


雲一つない綺麗な空が広がっていた。


いいなぁ…


空には悩みなんて一つもなさそう。


羨ましいよ…。





私も空になってみたい。





空には鳥が二羽……




気持ちよさそうに




飛んでいた。





,

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫