《MUMEI》
ゆうき
「…こ、これからは、
あんまり、嘘ついちゃダメだよ!!」



―…ああ…


ダメだ、あたしは…



「…それだけ??」

「…そ、それだけ!!
…だから、早く行って!!」



―…違うのに。

違う。


伝えたいのに―…!!



「…わかった。気をつける!!
―…じゃあ、元気でな!!」



行ってしまう。

梶野が、遠くへ…



梶野は、あたしに背を向けながら、

最後の言葉を口にした。



「バイバ―…」



―…やっぱり、そんなの嫌だ!!!



「待って!!!」



梶野のパーカーの袖を掴んだ。

びっくりした顔で、振り返る梶野。



「…相原…??」

「…梶野!!…あたし、あたし今までうそ付いてた!!
―…ホントのこと、今から言うから…」

「…は…??」



不思議そうな顔をする梶野に向かって、
あたしは言葉を続ける。



「…ホントは、行ってほしくない。
行かないで!!
…あと、体育祭、カッコよかった!すごく!!
―…それと―…」



梶野の瞳を見つめる。


こころに流れてくるメロディー。



スタンド・バイ・ミー…











「梶野が、すき」












…大好き。

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